11月6日から開催された世界選手権ローマ大会に出場しました。
試合準備は退院後復帰して約1ヶ月弱と非常に僅かな時間で、満足のいく練習が全く出来ぬまま挑んだ今大会。
とにかく出場目的の最優先事項である「参加ポイントの獲得」のため、厳重な術後管理を行い、術創部の状態を最優先に大会を迎えました。
準備を出来ぬまま迎えた大会だったからこそ、
『試合感覚を取り戻しつつ、まずは復帰できた喜びを噛みしめながらフェンシング自体を楽しみたい』
そんな想いの中で現地入りしました。まず、出場することが多方面からの様々なサポートにより実現したものでした。
今回の出場種目の大会スケジュールとしては、大会2・3日目のお昼過ぎから開始ということで体調を整えるには良い日程でした。
現地の会場入りをし、試合会場で直前練習を行いましたが、フィジカル・メンタルを含めた総合的な試合前調整は今までのようなスムーズな運びにはなりませんでした。
これまでとは違い、糧として自信につながる練習量は皆無に等しく、いつもであれば試合会場に足を踏み入れた瞬間に自覚する気分の高揚や緊張感、モチベーションの高まりもほとんど感じることが出来ぬまま、自分の中での気持ちのもっていき方に苦しみました。支えとなったのは苦しみ抜いた夏の3ヶ月間の経験のみでした。
そんな状態で挑んだ試合でしたが、それでもピストの上に立てば、いつもの顔ぶれを目の前にすれば、勝ちたくなる想いが一気に高まっていくのを自覚しました。
ピストの上に立った瞬間から、この4ヵ月間の自分を取り巻く背景やプロセスなんてものは一切関係なく、言い訳も通用せず、ただ勝つか負けるかの勝負の世界です。
どんな理由であれ、負けは負け、練習不足だったことに変わりありません。
結果は、エペ6位(ベスト8)、フルーレ9位(ベスト16)で敗退しました。
結果だけを見れば、当初の予定よりもポイントを取ることが出来ましたが、それでもやはり悔しい結果となりました。
エペは同じアジア、タイの強豪選手に惨敗、フルーレは何度も対戦してきているジョージアの選手に14−14のラスト1本勝負を落として敗退でした。
2種目ともに、これが勝負の世界だと改めて痛感する試合となりました。
結果だけを見てみれば想定していたラインを上回るかたちとなりましたが、やはり非常に悔しさが残る結果でした。
フルーレはベスト8まであと一歩、エペはメダルまであと一歩。
しかしながらその一歩はかけ離れた一歩だった気がします。
そして、世界選手権閉幕と同時に2017シーズン全ての試合を終えました。
結果としてはフルーレ世界ランキング14位、エペ世界ランキング16位で最終着地しました。
目標としていた最低ラインにはどうにか到達し、今シーズンを締めくくりました。
2月のW杯で初めてのメダル獲得、夏からの入院と様々なことがあった2017シーズンでしたが、多方面からの多くのサポートによって乗り切ることが出来ました。
想定外の連続は、競技と正面から向き合う大きな機会にもなりました。
まだ全てが克服できた訳ではなく、課題はたくさん残されていますが、しっかりと自身と向き合い、来年からいよいよスタートする東京の選考に向けてしっかりと準備を進めていきたいと思います。
今年も一年、応援ありがとうございました。